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十日恵比須神社 大國さまも鎮座する、商売繁盛・縁結びの神社。

恵比須神社と言えば、もちろん御祭神には商売繁盛の神様として知られる恵比須さま(事代主大神)が鎮座されています。この十日恵比須神社もその一つであり、商売繁盛のご利益を受けようと多くの企業や商店を営まれている方が訪れています。

ですが、この神社にはもう一柱重要な神様がいらっしゃいます。それが縁結びの神として知られる大國さま(大國主大神)です。恵比須さまのことを知って参拝される方は多くいらっしゃる神社ですが、大國さまをお祀りしていることは知らないという方もいらっしゃり、神社では大國さまが鎮座していることを周知する活動が積極的に行われています。

今回は、神社創建のご由緒、この神社の特徴と大國さまとの繋がりなどについて神社職員の方にお話を伺いました。

目次

十日恵比須神社とは

福岡空港、博多駅にも近いとてもアクセスの利便性が高い福岡市博多区に鎮座する十日恵比須神社。現在から400年以上前、香椎宮の社家の方が恵比須さまの像を拾われ、それを自宅でお祀りしたことが神社創建のきっかけとなっています。

境内には珍しい鯛の形の手水舎があり、コロナが流行した頃には手水が中止され、鯛の口にもマスクが付けられていました。ですが、コロナが収束して手水を再開する時、皆さんに楽しんでもらいたいという思いで神社の方が手水に飾り付けを施すことを思いつかれ、季節によって毬や水風船、アジサイなどで飾り付けられ訪れる人々に喜びを与えています。

神社の隣には広大な敷地の東公園があり、公園の緑と神社の植栽が見事に組み合わさり、とても心地よい空間を創り出しています。神社内での和装撮影や、恵比須さま、大國さまそれぞれに関連したオリジナルの授与品が社頭に並び、この神社ならではの魅力がたくさん詰まった神社です。

【十日恵比須神社 特別インタビュー】

恵比須さま、大國さまの二柱の神様をお祀りする十日恵比須神社。もちろん、全国にはそれぞれをお祀りする神社は数多くありますが、この神社の大國さまは島根の出雲大社から直接ご分霊をいただいた神様であり、これは全国でも非常に珍しいことです。

元々は恵比須神社として創建し、400年以上地域を見守ってきましたが、現在は大國さまと共に地域の皆さまを見守り、御祈願に来られる方の願いを温かく受け止めています。「恵比須さまだけでなく、大國さまがいることも広く周知したい」という神社の方の思いをお届けします。

創建から400年以上。博多の中心に位置する恵比須神社。

編集部

福岡市博多区に鎮座されている十日恵比須神社様へのインタビューです。博多区と言えばとても便利で活気のある町、というイメージですがこちらの神社周辺もそういった環境でしょうか。

職員様

そうですね。博多駅までは車で10分くらいですし、空港からもあまり遠くなくアクセスは良い場所です。空港からは地下鉄も繋がっていますので、JR博多駅にもアクセスしやすいです。当社は博多駅の隣の吉塚駅という駅のそばにあり、県外の方や海外からの方にも来ていただきやすい環境です。実際に海外からの方も結構参拝に来られますし、御朱印帳を拝見すると県外の神社を回られている方を多くお見受けします。

編集部

では、こちらの神社のご由緒について伺います。ホームページでは創建からは434年の歴史があると拝見しました。

職員様

西暦で言うと1592年の創建です。御祭神は恵比須さまとして知られる事代主大神(ことしろぬしのおおかみ)、出雲大社からご分霊をいただいた大國さまとして知られる大國主大神(おおくにぬしのおおかみ)です。恵比須さまは、当社創建の少し前、1591年の1月3日に筥崎の浜で、香椎宮の宮司家の竹内さんという方が恵比須さまの像を2つ拾われたそうです。そして、そちらを竹内家の方がご自宅でその像をお祀りされたのが最初のきっかけです。そして、その話が地域の方の間で広まり、お参りしたいという方が増え、どんどん参拝者が増えて正式に神社としてお祀りをしようということになり、当初は恵比須神社として創建しました。そこから、近くのお寺の境内にお社があった時もあるなど、現在の場所へ来るまでに場所を転々とした歴史があります。

“鯛”にまつわる授与品も多数。東公園隣接の心地よい立地。

編集部

では、こちらの神社の特徴や見どころについてお聞きできますか。

職員様

まず一つは手水舎です。ここ3年ほどで手水舎の飾り付けを工夫しています。インスタグラムにも写真を載せていますが、当社の手水舎は鯛の口から水が出る形になっていてとても特徴的です。ですが、コロナ禍だった時に一度手水を止めていた期間があり、鯛の口にもマスクをしていました。そして、コロナが少し収まり通常のスタイルに戻るという時、せっかくだから飾り付けをして皆さんに楽しんでいただこうと思い、毬を付けたり、夏には水風船を浮かべたりしています。6月にはアジサイを浮かべて花手水も行いました。

編集部

インスタグラムで写真を拝見しました!とっても素敵です!毬の飾り付けもカラフルで素敵ですが、特に水風船を浮かべている様子が本当に涼しげでとても美しいです。これはお子様にも喜ばれそうですね。

職員様

とても喜んでいただいていますし、朔日参りなど毎月来られる方はお写真を撮られる方が多いですね。アジサイの花手水も非常に人気があります。

編集部

鯛の手水も迫力がありますね!これはこの神社だけの魅力ですね。

職員様

恐らく当社ならではの手水だと思います。境内にはたまにノラネコがやって来るのですが、以前鯛の上に猫ちゃんが乗っていたことがありとても可愛かったです。

編集部

面白いですね!猫ちゃん、鯛を食べられると思ったのかもしれませんね(笑)

職員様

神社のすぐ横が東公園という大きな公園なので、そこに集まっているノラネコちゃんたちが当社の境内にもたまに遊びに来てくれます。

編集部

素敵な環境ですね!お隣の東公園、とても広い公園ですね。隣にこれだけの規模の公園があると緑も豊富でいい環境だと思います。

職員様

神社自体は広くないのですが、東公園からの緑が続いているので四季の花々や季節の植栽は楽しんでいただけると思います。東公園は一周が760mほどあり、2月にはウメ、5月にはツツジ、11月のイチョウと、シーズンごとの自然を楽しめる場所です。

編集部

地域の方の憩いの場になっているんですね。公園へ来られた際にはぜひこちらの神社にも足を運んでいただきたいですね。

職員様

ゆっくりと散歩をすると本当に気持ちのいい場所で、そういった環境が身近にあることは当社にとっても参拝される方にとってもありがたいことだと思います。また、神社の真横には小学校もあり、正月大祭の時などには「ぜひお参りください」と学校へ声を掛けさせていただいています。

職員様

鯛繋がりですと、他に「叶え鯛」という鯛の形をした御守りを頒布しています。これは紙でできた絵馬のようなもので、裏側にお願い事を書いて結びつけるものです。これは毎月1日に色が変わり、デザインも毎月変えてその時期を表すようなデザインにしています。9月なら菊、12月には見頃を迎える南天を表すデザインにしました。

編集部

そういったデザインも全て神社さまで考案されているのでしょうか。

職員様

はい。神職で頭を捻らせながら考えています(笑)。毎月の朔日参りや十日にお参りいただく方には昔から来られている方も多く、そういった方にも毎月楽しんでもらいたいので、インスタグラムを見て来てくださる方も増えているので、毎月新しい何かを届けたいという思いです。御朱印も毎月デザインを変えているのですが、デザイナーの方にお願いしています。

職員様

私が以前いた神社で神社が好きなデザイナーさんとのご縁があり、その方が独立されたので、当社の御朱印をお願いしているという次第です。神社が大好きな方なのでこちらの熱量も汲んでくださり、とても嬉しいです。今年の正月大祭の時の御朱印は制作に30時間をかけたとおっしゃっていて、そこまでの思いで作ってくださったことが、本当に嬉しいです。正月大祭は一番多くの方がいらっしゃる時なので、少しでも新しいものを皆さんに提供したいと思っています。

編集部

インスタグラムでその正月大祭の御朱印、拝見しました。本当に力作ですね!これを30時間で完成させるなんてすごいですね!

職員様

たまたまのご縁ですが、現在もこうして繋がれていること、嬉しく思います。

全国でも前例のない、出雲大社からご勧請の大國さま。

編集部

ウサギの御守りのお写真も拝見しましたが、とても可愛らしいですね。

職員様

これは因幡の白兎の神話に基づいたお守りで令和7年(2025)の10月に初めて授与したものです。ウサギは因幡の白兎の中で大國さまの使いとして登場しており、そういった関係から考案しました。

職員様

これまで恵比須さまに関連する商売繁盛などの授与品は多く出していましたが、大國さまに関するものはあまりなかったので、新しく親しんでいただければ嬉しいです。大國さまもせっかく出雲から来ていただいているので、皆さんにも当社に大國さまがいることをもっと知っていただければと思います。

編集部

大國さまと言えば、縁結びの神様として知られますが、縁結びのご利益を受けに来られる方もいるのでしょうか。

職員様

実はまだ少ないというのが実情です。やはり恵比須神社という名だけあって、商売繁盛の神様というイメージが強いので、企業の方や商売を営まれている方が御祈願に来られることが多いです。これからは縁結びの神様としても広く知ってもらいたいです。当社の大國さまは出雲大社から直接ご勧請があったもので、そういったことはとても珍しいんです!約60年前に直接出雲大社から分けていただいたもので、前例がないことだったと思います。そのご分霊をいただいた当時の写真も神社に残されており、インスタグラムにも載せています。

編集部

拝見しました。元はモノクロ写真だと思いますが、カラーにもしていただいたんですね!カラーになることで見え方も変わりますし、当時の周辺環境なども窺うことができ、とても貴重なお写真ですね!

職員様

これは数年前に九州大学の教授の方にカラーにしていただいたもので、当時の町並みも知ることができる写真です。他に、画像にはしていませんがご分霊をいただいた時の新幹線内の写真なども神社には残っており、本当に大切にされていたことがよく分かります。そういったご縁も、最初の恵比須さまをきちんとお祀りしてきたからこそ、出雲大社へのご縁に繋がったのだと思います。

神社内で和装撮影も。出雲大社から贈られる貴重な注連縄。

編集部

神前結婚式をされているお写真も拝見しましたが、他に和装の撮影もされていると伺いました。これはいつでもお願いすることができるのでしょうか。

職員様

常時受け付けていますので、ご希望の方には和装を貸していただける衣装屋さんもご紹介しています。

編集部

今、着物を着られる場所はそうそうありません。着られても周辺のロケーションが町中で和装とはアンマッチということもありますし、神社で衣装を借りて神社内で撮影までできるというのはとても魅力的です!

職員様

和装を着られるとやはり皆さん日本人の凛とした部分が表出しますので、当社へお越しになった際はぜひ体験いただければと思います。インスタグラムで和装撮影のことを知り来られた方もいますし、当社では社殿の中でも撮影していただけます。社殿の中で撮れるという所はほとんどありませんので、ぜひ記念にご利用いただきたいです。

編集部

思い出になりますね!結婚式で利用される方もいらっしゃるのでしょうか。

職員様

多くはありませんが、執り行わせていただくこともあります。隣の東公園は前撮りの撮影場所としても多くの方に利用されているので、当社で挙式をして東公園で撮影、という方もいらっしゃいます。

編集部

社殿も非常に立派で豪華な社殿とお見受けしますが、建築上の特徴などはありますか。

職員様

建築上、というわけではないのですが拝殿の正面に注連縄があり、その注連縄は出雲大社から10年に一度新調して贈ってくださるんです。出雲の方に注連縄保存会があり、その会の方が直接当社へ来られて奉納してくださいます。出雲大社の注連縄と同じ素材でできたもので、出雲大社のものほど大きくはありませんが福岡の神社の中では大きい方だと思います。こうした縁が続いていることもとても嬉しく思います。

職員様

社殿の造りも出雲大社と同じ大社造で、本殿が少し上がっているような造りです。また、恵比須さまをお祀りする神社では多いようですが、正面からお参りされるだけではなく、「裏参り」をされる方も多いんです。

編集部

裏参りというのはどういったものでしょうか。

職員様

正式な参拝は正面からのお参りですが、社殿の裏に回るとより社殿が近く見えるということで、昔ながらのそういったお参りをされる方もいます。出雲大社でも裏の方にウサギの銅像があるなど、裏参りをする方にも楽しんでいただけるよう工夫がされています。

初開催の「だいこく祭」で、地域の方との交流も。

編集部

では、地域の方と交流しながら行われている行事などはありますか。

職員様

先ほど小学校のお話をしましたが、6月の茅の輪くぐりの時期には「ミニ茅の輪」と言って、小さな茅の輪の形をした御守りを生徒さんに体験学習で作ってもらっています。

職員様

また令和7年(2025)の10月9日・10日には大國さまのお祭りとして「だいこく祭」を行いました。お祭りでは、お茶の煎茶や伊勢うどんのお振舞などもしており、ゆっくりとしていただける環境が整っています。

職員様

キッチンカーの出店や、隣の芝生公園でライブステージを行ったりさまざまな催しを行いました。

職員様

メイン行事として、現代書道アーティストでいらっしゃる劔朧(けんろう)さんという方に、全長10mのパネルに龍神を書くというパフォーマンスをしていただきました。他に和太鼓の演奏なども行いとても賑わいました。アーティストの方それぞれに思いがありますが、皆さん来ていただく方に楽しんでもらいたいという思いは同じです。

編集部

ジャンルに偏らずさまざまな催しを一度で楽しめるというのはとても素敵ですね。

職員様

当社のことをご存知ない方もまだたくさんいらっしゃいますし、来ていただく方でも大國さまをお祀りしていることを知らない方はいます。ですので、今後は恵比須さまだけでなく大國さまもいらっしゃることを多くの方に知っていただきたいです。

職員様

他に、毎年7月に行われる地域のお祭りとして博多祇園山笠というものがあります。これは国の重要無形民俗文化財に指定されているお祭りで、平成28年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。700年以上の歴史がある伝統的なお祭りで、博多の総鎮守として知られる櫛田神社さんの奉納神事で、毎年7月1日~15日にかけて開催されています。山笠には7月の流(ながれ)があり、当社には「千代流(ちよながれ)」と呼ばれる舁き山(かきやま)があります。威勢のいい掛け声とともに博多の町に舁き出され、とても迫力のあるものです。この山笠は海外の方もよく見に来られており、日本の中でもこの地域ならではの行事です。

今後の展望

令和7年(2025)に初めて行った「だいこく祭」。初めての開催にもかかわらず、多くの方にお越しいただきましたが、今年はさらに規模を拡大して皆さんをお迎えできるよう計画しています。大國さまと縁結びのご利益をもっと皆さんに知っていただき、人と人とのご縁を繋いでいきたいです。

縁結びというのは、恋愛の縁だけでなく企業様どうしのお付き合いなどもご縁だと思っていますので、皆さんに良いご縁が巡るよう、お祈りできればと思っています。そして、恵比須さまは引き続き商売繁盛の神様として親しんでいただき、参拝された際には自分のお願い事をしていただくのも良いですが、まずは神様へ感謝の思いをお伝えいただき、そしてこちらからも皆さんのご発展をお祈りさせていただきたいと思っています。

インタビューまとめ

神社は全国に約8万社あると言われ、それぞれに特色があります。一柱の神様をお祀りする神社もあれば、合祀をして多くの神様をお祀りしている神社もあります。神様にはそれぞれ御神徳があり、神社を訪れる方は厄除けや病気平癒、金運向上などさまざまな思いを持って参拝されます。

この神社にも、恵比須さまと大國さまという、日本にとってとても重要な神様が鎮座されていますが、大國さまのことを知らないまま来られる方もまだ多くいらっしゃいます。ですが、神社の方が話されるようにせっかくお参りされるのであれば、商売のご利益だけでなく、縁結びも御祈願いただければ、きっと素敵なご縁があるはずです。インタビュー内でもお話があったように、縁は人と人との繋がりです。それは家族でもあり、友人・恋人でもあり、師弟関係や企業と企業の繋がりなど、さまざまな関係があります。

「良い縁と出会うことで、良い運が巡る」ということもあると思いますので、ぜひこの十日恵比須神社に来られた際には「良い縁」も願ってみてはいかがでしょうか。

十日恵比須神社

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この記事を書いた人

ラボ編集部のアバター ラボ編集部 編集者・取材ライター

歴史と文化遺産に情熱を注ぐ29歳の編集者、山本さくらです。子どもが1人いる母として、家族との時間を大切にしながらも、文化遺産ラボの立ち上げメンバーとして、編集やインタビューを担当しています。旅行が大好きで、訪れる先では必ずその地域の文化遺産を訪問し、歴史の奥深さを体感しています。
文化遺産ラボを通じて、歴史や文化遺産の魅力をもっと多くの方に届けたいと日々奮闘中。歴史好きの方も、まだ触れていない方も、ぜひ一緒にこの旅を楽しみましょう!

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