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草津温泉白根神社 地域に守られ続け、草津の地に鎮座する白根大明神。

本殿 春の写真

草津温泉と言えば、誰もが知る群馬の温泉観光地。知らぬ人がいないほどの温泉地で長い年月鎮座し続ける白根神社。奥宮は草津白根山にあり参拝が困難なため、温泉観光地に社殿が建立されました。草津温泉の中心地である湯畑からも散歩をしながら徒歩で参拝できる位置にあり、日々多くの観光客の方が訪れています。

神主様が常駐しない神社ではありますが、神社の氏子総代会の方々が維持管理に尽力され、境内はとても綺麗に整備されています。今回は、氏子総代会の方にこの神社のこれまでの歩みや現在の神事、そして今後の神社への思いについてお聞きしました。

目次

草津温泉白根神社とは

奥宮の写真

創建の由来は判然としないものの、奥宮が置かれる白根山は12世紀頃には霊場として認識されていた歴史があり、歴史の長さは侮れません。日本武尊によって発見されたとされる草津温泉の温泉街にあり、その所以から日本武尊をご祭神としてお祀りしています。

大規模な神社ではないものの、風光明媚なロケーションに位置しその自然豊かな環境と温泉地の雰囲気は他の神社では感じられないものです。この地では温泉だけでなく神社でのゆっくりとした時間も楽しむことができ、温泉地での癒しに加えて多くのご利益も受けることができます。

【草津温泉白根神社 特別インタビュー】

本殿 秋の写真

温泉観光地という立地柄、国内の観光客はもちろん海外観光客も多く、温泉と神社という日本ならではの文化や習慣を伝える場所としても親しまれています。標高が高い影響で夏場でも涼しく訪れやすい環境です。

初詣や七五三、そして年に一度の例大祭は多くの町民が参加し、祭りを見に来られる方も特に多い行事です。観光の合間に気軽に立ち寄れる神社・白根神社の魅力をたっぷりとご紹介します。

草津の地に数百年。
氏子総代会によって守られる神社。

編集部

本日は群馬県草津町に鎮座されている草津温泉白根神社様へのインタビューです。こちらは全国的にも有名な温泉地である草津温泉の地ですね。小林様はこの神社の氏子総代会の事務局で神社の管理運営に携わられているということでしょうか。

ご担当者様

そうですね。この神社は神主が常駐していない神社ですので、氏子総代会が神社のほとんどの行事に関わっています。

編集部

そういうことなんですね。草津温泉は誰もが知る温泉地ですが、この草津町はどういった町でしょうか。

ご担当者様

今言っていただいたようにここは有名な温泉観光地です。標高1200mほどの高台に位置しているので夏でもあまり暑くなく、6月の時点で25度くらいです。近年は外国人観光客の方もとても増え、一年を通して観光客でにぎわっています。私自身、やはりこの町は全国の有名な温泉地にも引けを取らない素晴らしい温泉地だと思っています。

編集部

ご自身の郷里についてそんな風に思えることは、本当に素敵なことですね。では、こちらの神社の歴史・由来についてお聞きできますでしょうか。

ご担当者様

創建はいつ頃なのか判然としていません。数百年という歴史はあると思いますがハッキリと申し上げられることはない、という状況です。元々この神社の奥宮は草津白根山の上にあります。ですが、標高2000mほどあり、そこへ参拝に行くのはかなり大変ですので、町の方へ分社し現在の社殿が建立されたのではないかと言われています。現在は噴火の影響で立ち入り禁止になっており、奥宮へは許可を取らなければ参拝できません。ご祭神は草津の温泉を発見したとされている日本武尊(やまとたけるのみこと)です。これも伝承的なものなので本当のところは分かりませんが、日本武尊が草津に来たという言い伝えや絵は残っているようです。

編集部

なるほど。奥宮の鳥居は2つありますが、その理由は分かっているのでしょうか。

ご担当者様

実は分からないんです。この奥宮は正式には白根明神と呼ばれており、白根山を神格化してお祀りした神社です。昔は白根山の湯釜の中にありましたが、現在は白根山頂付近の高台にお祀りされています。白根山は12世紀頃には霊場として修験が登山していたと言われており、そういった修験者によって湯釜内に多くの笹塔婆(※)が投げ入れられていたと言われています。
※笹塔婆…仏の名前や短い仏教の言葉を書き供養・まじないに用いた木簡。

編集部

山の歴史としてはそういった背景があるんですね。この奥宮への参拝道はやはり山道という感じでしょうか。

ご担当者様

国道が走っているので近くまでは行くことができますが、やはり奥宮へ辿り着くにはとても大変です。周辺も火山で木々もほとんどなく、頂上には火口もありゴツゴツとしています。植物も高山植物しか生えておらず、登るのはそれなりに苦労します。ですが、頂上からの景色はものすごく綺麗です。周囲の山がよく見えますし、草津の街並みを一望できるとても爽快な景色です。噴火警戒レベルによって立ち入り禁止になる場合もございます。

湯畑から徒歩約5分。
温泉地から気軽に参拝できる場所。

編集部

では、この神社の見どころや魅力についてお伺いできますか。

ご担当者様

有名な神社さんのように規模の大きな神社ではありませんので、ここを目的として来てほしいというよりは草津観光の合間によかったら境内を散歩していってほしいという思いです。神主が常駐しておらず普段は人がいない神社なので、とても静かな場所です。社務所は土日と火曜のみ開けており、とても特徴がある神社というわけではありませんが、境内には緑も多く公園が隣接しているため、花が咲く時期はとても綺麗です。そのおかげか近年参拝者がとても増えました。私たちもできる限り綺麗に整備していますので、観光のついでにふらっと立ち寄っていただけると嬉しいです。草津温泉の中心地は湯畑というのですが、そこから徒歩5分ほどで散歩しながら来ていただけます。

編集部

お写真を拝見する限り、本当に綺麗に整備されていますね。標高が高いということですが、やはり冬場は雪が降るのでしょうか。

ご担当者様

雪はかなり降ります。初詣で訪れていただく方も多いため、冬場は雪かきも必要ですが、普段は無人のため真っ白な雪景色になっていることもあります。参拝に来られる方にはくれぐれも気を付けていただければと思います。

編集部

では、境内や周辺景観の特徴についてもお聞きします。境内入り口には大きな鳥居もありますが、こちらはどれくらいの高さでしょうか。

ご担当者様

鳥居はおそらく4~5mほどです。境内には他の神社も多く、白根神社本殿の他に、沼神社、諏訪神社、三峯神社の3つの神社があります。沼神社は水を司る神様をお祀りしており、諏訪神社は長野県の諏訪大社を本社とするものです。諏訪神社は草津町内に2つあり、そのうちの1つが当社の境内にお祀りされています。三峯神社は埼玉県秩父市に本社があり、日本武尊が伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしたのが起源だと言われています。いずれも大きな社殿ではありませんが、きちんとお参りできるよう整備されています。

編集部

様々なご利益を受けられる神社ですね。先ほど境内には緑も多いというお話がありましたが、秋の紅葉のお写真を拝見しました。とても美しいですね。

ご担当者様

紅葉の時期は本当に綺麗です。現在は写真の頃よりも木を切っているのでもう少しスッキリとしていますが、紅葉の時期は写真撮影に来られる方も多いです。周辺景観については、やはり温泉観光地なのでお宿がとても多いです。草津だけで200軒以上はあると思います。

編集部

さすがですね!参拝に来られる方は徒歩で来られる方が多いのでしょうか。

ご担当者様

そうですね。神社自体には駐車場がなく最寄りのパーキングは徒歩2~3分です。そこから湯畑へ観光に行く途中の通り道に神社がありますので、ふらっと寄りやすい立地です。普段は静かですが、神社の石段を下りるとすぐに町の中心なので、この神社を訪れている間はゆっくりとした時間を過ごせると思います。

町民皆氏子。地域で守り続ける神社と伝統行事。

例大祭①の写真
編集部

では、地域の方との交流についてお聞きします。小林さんをはじめ氏子総代会皆さんが神社を支えられていると思いますが、地域の方を交えて行われる行事はありますか。

ご担当者様

まずは初詣です。他には七五三、お焚き上げも行っています。7月には例大祭があり、神社として一番大きいのはその例大祭です。このお祭りには町中の方が参加され、草津には15区あるのですが、そのうち13区からお神輿を出していただき、湯畑もとても賑やかになります。そういった行事の際には神主さんを隣町から呼びお祓いなどをしていただいています。

編集部

町中の方というと具体的にどれくらいの人数なのでしょうか。

ご担当者様

この神社では町民皆氏子という考え方なので、人口でいうと6000人弱ほどの方が氏子ということになります。

編集部

それだけの人数の方がご参加いただけるとなると、相当な賑わいと盛り上がりですね!

ご担当者様

お神輿を担ぐ方は各地区でそれぞれ30人ほどですが、他の地域からお神輿を担がせてほしいと毎年来られる方もいます。湯畑の周囲を10基ほどのお神輿がグルグルと回るのですが、とても迫力と見応えのある光景です。その日は観光客の方も特に多く、動画を撮影していても人が多くて撮れないような状況です。

編集部

それはすごいですね!他の地域からもわざわざお神輿を担ぎに来られる方がいるとは驚きです!それだけ重要なお祭りなんですね。この先も町の伝統行事として長く続いてほしいですね。氏子総代会には何名ほどの方が在籍されているのでしょうか。

ご担当者様

現在は50名ほどです。各地区から3人ほど選出していただき、皆さんの尽力で神社を守っています。神主が管理している神社ではないので、我々が整備しないと次第に荒れていってしまいますので、皆さんと協力して整備に努めています。最近は御朱印ブームの影響でありがたいことに資金も集まり、おかげで神社の整備も行うことができます。人口も減っており昔のように寄付だけでの維持は難しいため、そういった御朱印などをお求めいただく方々のおかげで維持管理ができています。

編集部

本当に地域の方、そして観光で訪れてくれる方によって守られているんですね。総代会が発足したのはどれくらい前なのでしょうか。

ご担当者様

詳しくは不明ですが、お祭りは70~80年ほど前から始まっていると思いますので、その頃にはあったのかもしれません。ただ、現在のようにきちんとした会として成立していたかは分かりません。最初はおそらく自然発生的なもので皆さんが集まり徐々に現在のような会の形になったのではないかと思います。メンバーの年齢層も若返りを図っているところで、今後にも期待しています。

編集部

神社を守っていこうという思いが自然と現在の形につながったのかもしれませんね。先ほど七五三のお話が出ましたが、こちらでは七五三は10月に行われていると拝見しました。他の地域よりも1ヶ月ほど早いように思えますが、これには何か理由があるのでしょうか。

ご担当者様

一般的には11月に行われると思いますが、やはり11月はもうこの辺りは寒いんです。昔は雪が降ることもありましたし、子どもたちが風邪をひいてしまうこともありますから、この辺りでは1ヶ月前倒しして行っています。

編集部

なるほど!そういったことでしたか。最近は10月でも暑い日が続きますが、こちらでは少し季節が先に進んでいるんですね。

ご担当者様

そうですね。10月になれば夜の気温は一桁になります。炬燵が出ているご家庭もありますし、夏場でも夜は窓を開けて扇風機を回していれば、暑くて寝られないという日はほぼありません。昔は夏場でも30度を超えることはあまりありませんでしたが、近年は何回か30度を超える日もあります。軽井沢よりも標高が高いので、避暑地として過ごしやすい場所だと思います。

編集部

神社がある場所でその気候ということは白根山はもっと寒いですよね。

ご担当者様

そうですね。頂上は夏でも寒いくらいです。うっかり半袖で行ってしまうと寒い思いをするので、GWくらいの時期でも長袖で来ていただくのがいいと思います。
七五三を祈願されるお子さんも少子化の影響で随分減っていますが、この辺りで七五三の御祈願を受けているのはこの神社だけなので、今後も地域の氏神として多くの方に御祈願いただきたいです。

編集部

境内には歌碑や記念碑が多いように思います。

ご担当者様

歌碑は神社の境内だけでなく町中にもたくさん残されています。温泉観光地として昔から有名だったため、歌人も多く訪れていたようです。

編集部

1月に行われている木遣り(きやり)というのはどういった行事なのでしょうか。

ご担当者様

これは神事ではないのですが、年始の景気づけで旅館や商店など様々な場所で鳶職人の方が披露するものです。白根神社を出発地点として依頼のあった旅館や商店を回り「今年もいい年になりますように」と願掛けの意味で行っています。他には昭和天皇即位30周年を記念した記念碑もあります。

今後の展望

この先も神社境内の美観を保つことに務め、参拝に来られた方が「お参りして良かった」と思えるような神社にしたいと思っています。

海外からの参拝者も多いため、日本ならでの神社への参拝という文化を良いものだと思っていただけるよう神社の良さを広めていきます。

インタビューまとめ

群馬県と言えば、達磨や上毛三山などに加えて全国的に有名なのが草津温泉。その温泉地に鎮座するこの白根神社は地域の方にとってとても重要な存在であり、だからこそ氏子総代会の方々によって大切に守られているのだと感じました。国内外問わず多くの方に愛される観光地だからこそ、地域によって守られそれに応えるように、白根大明神もこの地と人々を守り続けているのだと思います。

町民皆氏子という思いはこの先も受け継がれ、氏子総代会の皆様だけでなくこの町の人々に支えられる神社であり続けるでしょう。

草津温泉白根神社 アクセス情報

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この記事を書いた人

ラボ編集部のアバター ラボ編集部 編集者・取材ライター

歴史と文化遺産に情熱を注ぐ29歳の編集者、山本さくらです。子どもが1人いる母として、家族との時間を大切にしながらも、文化遺産ラボの立ち上げメンバーとして、編集やインタビューを担当しています。旅行が大好きで、訪れる先では必ずその地域の文化遺産を訪問し、歴史の奥深さを体感しています。
文化遺産ラボを通じて、歴史や文化遺産の魅力をもっと多くの方に届けたいと日々奮闘中。歴史好きの方も、まだ触れていない方も、ぜひ一緒にこの旅を楽しみましょう!

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