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森戸大明神 葉山の海を目の前に、希少なロケーションを満喫。

「葉山の御用邸」という言葉は、きっと多くの方が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。これは神奈川県にある葉山町に位置する、明治天皇の命により御造営された皇室の静養地を指します。そしてその葉山町は、古来より非常に風光明媚で心安らぐ別荘地として愛されてきました。

現在も都内に仕事を持ちながらこの葉山を離れずに暮らす人々は多く、都会の喧騒を離れてホッと一息吐く瞬間、この葉山の空気を感じながらリラックスしたいと思う方々に愛される町です。かつては故・石原裕次郎氏にも愛されたこの町で、800年以上の長い歴史を見守ってきた森戸大明神。そこには、この神社でしか見られない光景がいくつもあり、神社の禰宜様にその魅力の一つひとつを丁寧に語っていただきました。

目次

森戸大明神とは

黒富士の写真

源頼朝公によって創建されてから845年。美しい三浦半島の海を目の前に鎮座する森戸大明神は、その稀少なロケーションはもちろん、神社で行われる行事などにも魅了される人が多い神社です。

特に夕陽にまつわる美しい光景は全国的にも有名で、多くのカメラマンがその美しい瞬間を撮影しようと集まっています。かつては名俳優であった石原裕次郎氏が静養の地として愛し、石原家とも深い繋がりのある場所です。

赤ちゃんの泣き相撲や、神輿を担いだまま海に入る光景が見られる例祭、年に一度行われるビッグ葉山マーケットには約3万人の人が集まるなど、この神社を中心に行われる行事は、そのどれもが地域の方にとってなくてはならない大切なものです。伝統あるお祭りを残すための工夫や、夏詣への参加、芸術祭への協力など新しい取り組みにも積極的な神社です。

【森戸大明神 特別インタビュー】

夕陽の写真

海を望む神社は、日本全国にいくつか存在しています。ですが、東京から1時間ほどで来られる立地で、本当に海を目の前にする神社はとても貴重です。都内からのアクセスも良く、日帰りで気軽に旅行したい時にはピッタリの場所です。

昔から別荘地として愛されてきた土地であるだけに、現在も別荘を構える方や日々の疲れを癒すため、静養のために訪れる方は少なくありません。この地を愛するさまざまな方を受け入れてきたこの神社の、ここならではの特徴について、詳しくお届けします。

全国でも希少な海に面した神社。頼朝公にまつわる樹齢800年の御神木も。

編集部

本日は神奈川県葉山町に鎮座されている森戸大明神様へのインタビューです。ホームページで鎮座されている場所を拝見しましたが、海のすぐ目の前なんですね。とても珍しいロケーションかと思います。

禰宜様

昔は同じように海の近くにある神社もあったと思いますが、日本人口が増えるにつれて埋め立てが増えたこともあり、その数は減っているかもしれませんね。全国的には少ない数だと思いますが、厳島神社など海に面している神社は他にもいくつかございます。

編集部

では、こちらのご由緒についてお聞きします。創建時期は分かっているのでしょうか。

禰宜様

創建は治承4年(1180年)のことで、源頼朝公によって創建されました。鎌倉幕府を創建されるにあたり、篤く崇敬していた静岡県の三嶋大社の御分霊を頂き、三嶋明神のお力に感謝を捧げるため、鎌倉に近い葉山に当社を御創健されたと伝わっています。三嶋大社とは他にも縁があり、当社の境内にある樹齢800年と推定される柏槇の御神木は、頼朝公が当社へご参拝された時に三嶋大社から種が飛来し、そこへ根付いたものだと言われています。頼朝公がご参拝されなければ種子は飛んでこず、この御神木も存在しなかったかもしれませんので、そういった部分でも神様とのご縁を感じています。

編集部

ご祭神は大山祗命 (おおやまつみのみこと)、事代主命 (ことしろぬしのみこと)ということですが、それぞれどういった神様か教えていただけますか。

禰宜様

大山祗命は山の神様です。山の神は国土の神様でもあり非常に力を持つ神様です。事代主命は海の神様であり、七福神の恵比寿様と同一視されている神様で、その二柱の神様がお祀りされている御本殿以外にも、龍神様など他の神様もお祀りしています。

魅力の一つは、美しい葉山の夕陽。全国的にも知られる不思議な”子授け信仰”。

編集部

では、こちらの神社の魅力や特徴をお聞かせください。

禰宜様

まずは冒頭にもお話したロケーションの良さです。この景色は他の神社にはなかなかないもので、相模湾越しに世界遺産の富士山、江ノ島、伊豆箱根の山々そして名島(なじま)と呼ばれる島を見ることができます。

富士山の写真
禰宜様

名島は神社裏手の磯部から沖合700mほどの場所に浮かぶ小さな島で、そちらに龍神様をお祀りし赤い鳥居が建っています。

禰宜様

また葉山はかつての名俳優・石原裕次郎さんがよく来られていた場所です。そのご縁から、石原慎太郎さんが裕次郎さんの三回忌に故人を偲んで灯台を建てられました。これは葉山灯台、通称裕次郎灯台とも呼ばれる灯台で、その灯台と富士山、そして名島の赤い鳥居が一緒に見えるという景色は、本当にこの葉山町森戸だけです。

禰宜様

そういった景色を見るために来られる方もいますし、海のそばで清々しい空気を感じながらお参りしたいという方も大勢いらっしゃいます。このロケーションは当社の特徴の一つです。また、七瀬祓(ななせはらい)というお祓いが行われていた場所があります。これは昔、朝廷において行われていた祓のひとつで、鎌倉幕府でも災いが起きると、七瀬祓いの儀式を行っていたそうです。禊は海に入り行を修めて罪穢れを祓ったり、加持祈祷と呼ばれる、火をくべて執り行う御祈祷が行われていました。とても清々しい状態に戻ることができるということで、お参りされた後に裏の海へ行き、手や足を浸けてご自身の禊をされたり、心の浄化を図るためにお越しになる方がとても多いです。

編集部

この立地ならではのエピソードが多いですね!

禰宜様

やはり全国的にもそう多くはない立地ですので、特別な場所でお参りされた後に、清らかな気持ちで日々を過ごされるにはとても良い場所です。

編集部

神奈川と言えば、湘南をはじめとした海の風景を思い浮かべる方が多いと思いますが、その中でもこれだけのロケーションに出会える神社は稀少だと思いますので、景色を見るだけでも訪れる価値がある場所ですね。富士山も見られるということですが、その中でもダイヤモンド富士を見られる瞬間があると拝見しました。

禰宜様

夕陽が富士山の頂上に沈む瞬間がダイヤモンド富士なのですが、4月と9月がそのダイヤモンド富士を見られるタイミングです。年によって多少日はずれますが、毎回必ず見られるわけではなく、気象条件が揃った時に美しい光景を見ることができます。もちろんお写真を撮りに来られる方もとても多く、300~400人ほどのカメラマンがその瞬間を捉えようとお越しになられます。

編集部

そんなにもいらっしゃるんですね!さすが皆さんよくご存じなんですね。

禰宜様

毎日少しずつ位置がずれてきますので、たとえば当社から見ることができなくても、翌日に神社から徒歩5分ほどの場所で見られることもあります。神社の境内地から見られることは何年かに一度ですが、気象条件が揃えば葉山町の中では見られる確率が高いです。

禰宜様

またダイヤモンド富士だけでなく、裕次郎灯台の上に夕陽が落ちてくるときはキャンドルのようになり、葉山キャンドルとも呼ばれています。灯台がろうそくになり、その上に夕陽が落ちてキャンドルのように見えます。

禰宜様

他には、名島の鳥居に夕陽が落ちてくると鳥居からまっすぐ夕陽の線が入ってきて、光の道と呼ばれています。そんなふうに一年を通して美しい夕日を見ることができます。また、日没後にマジックアワーと呼ばれる時間があり、色味の強いオレンジ色が落ちた後は、雲の影響を受けて紫の色味が強くなり、その瞬間をマジックアワーと呼んでいます。その光景もまた、いつもとは違うものでそれを楽しみに日没後までご覧になる方もいます。いつも必ず見られるわけではないというところが魅力的です。見られるかどうかも神様とのご縁だと思っています。好みの景色が見えなければまた来てもいいかなと思っていただき、何度でもお越しいただいてさまざまな気象条件を楽しんでいただければと思います。

編集部

本当にこのロケーションにちなんだエピソードがたくさんですね。他にはない貴重な立地と自然環境だと思いますので、何度でも訪れる価値のある場所ですね。御利益もさまざまなものがあるそうですね。子授けや安産にも御利益があるということですが、やはりそういった御祈願をされる方は多いのでしょうか。

禰宜様

子授けの御祈願は全国から来られます。実はこの葉山の地域自体が少し特殊な信仰を持っています。海の波によって土地が削られることで丸い石が生まれます。それが子授けの信仰と相まって、丸い石自体が子宝の力を持つ御神体になると言われており、そういった石を神社内の水天宮でお祀りしています。

禰宜様

石に触れるとお子様が授かるということで、当社では小さな子宝石をお祓いして御守りと一緒に授与させていただいています。持ち帰っていただき毎日撫でてもらうとお子様を授かり、授かった後は安産祈願にお越しいただき、産まれた後のお宮参りの際にお子様の名前を石に刻み、お子さまが石のように丈夫な子に育ちますようにと願いを込めて、神社に納めていただきます。この御祈願には、北は北海道、南は沖縄まで全国からお子様を授かりたい方が訪れてくださいます。皆さんが撫でることでより強い力を発揮してくれるということで、これまでの数百年の間に数えきれない人々が撫でてきた石なので、きっと神様の強いお力をお受けいただけると思います。この先も子授け信仰の象徴として大切にしていきたいです。

編集部

不思議な信仰ですが、昔から伝わる信仰には力があると思いますし、神様の力をお借りして一人でも多くの方の願いが叶うといいですね。

禰宜様

他にも当社には少し特殊な信仰のお社が多くあります。水天宮の横には「おせき稲荷社」と言って咳止めのお稲荷さんがお祀りされています。これも古くからあるもので、喉を使うお仕事をされている方や咳が止まらない方のご信仰を集めています。また、元々は家畜のお社でしたが現在はペットのお社としてお参りいただける畜霊社もあります。神社にはペットが入れない所もありますが、当社では昔からそういったお社がありますので、リードを繋ぐなどルールを守っていただければワンちゃんなどのペットを連れて来ていただくことも可能です。

編集部

ペットの御祈願もできるとは、ペットを飼われている方にとっても嬉しい神社ですね。

禰宜様

元々御本殿の信仰は、先ほどお話した七瀬祓いという信仰が大切にされていました。これは厄除けや災い除け、開運招福などのご利益があり、心身共に清らかに純真無垢な状態になり、良縁に結ばれると言われています。良縁ということで、若い男女の方も来られますが、恋愛に限らず仕事や人間関係などで良い縁と出会いたいという方もたくさん来られます。

海の前ならではの社殿の造り。移住者も多い葉山の魅力。

編集部

神社の場所についてですが、創建当時から鎮座されている場所は変わっていないのでしょうか。

禰宜様

御本殿の場所は変わっていません。御本殿は慶長2年(1897年)に建てられた建物で当社で現存する建物では最も古く、流造(ながれづくり)という建築様式です。海のそばの神社ですので、潮風の影響で社殿の痛みは普通の神社よりも圧倒的に早くなります。そのため、当社の社殿は潮風に強い瓦葺の屋根です。拝殿は昭和9年の建物で、神様が鎮まられている御本殿の上に建物を被せることで、その御本殿を潮風から守っています。御本殿は流造、拝殿は権現造で違う造りとなってしまいますが、流造で拝殿を建てるととても大きくなってしまうんです。御本殿の上にさらにそれを被せるのは立地的にもとても困難なため、権現造になっています。

編集部

神社の造りにおいてもこの場所だからこその意味があるんですね。

禰宜様

ロケーションの話になりますが、当社がある場所の片側は川、そして裏側が海です。社殿の両脇には岩肌が見えており、社殿はかなりギリギリの形を取って作られています。皆さん来られると「こんな所にあるんですね!」と驚かれるほどです。裏側は山があるのでまだスペースもあるのですが、本殿の両脇は片側が川、片側が岩なので、これ以上間口を広げられない状況です。昭和9年は私の祖父の代ですが、恐らく当時も考えに考えを重ねてこういったお社にされたのだと思います。

編集部

本当に奇跡的なロケーションに建っているんですね!

禰宜様

頼朝公もこのロケーションに魅了されてここに建てたのだと思いますが、神社の他に頼朝公の別荘もあったという話も聞いたことがあり、そういった石碑も立っています。やはり古くから富士山は誰が見ても勇壮なもので、今と同じようにここは当時から別荘地だったのだと思います。鎌倉幕府の歴史書である『吾妻鏡』にも、頼朝公が疲れた体を休めて遊覧のためにお越しになり、相撲など当時の娯楽を愉しまれたという記録が残されています。そういったご縁から当社でも昭和30年代までは相撲を執り行っていました。立浪部屋の皆さんにお越しいただき、三浦半島の人たちが船でお越しになり、相撲をご覧になられました。他にも演劇などを行い、浅香光代さんなどの著名な方にも来ていただいてたようです。当時はそういった娯楽が主で、お越しの方々は相撲や演劇を楽しんで帰っていくというのが当社のお祭りだったようです。今は力士の方を呼ぶのは大変ですが、歴史的背景の名残を残そうということで、赤ちゃんの泣き相撲を行っています。

編集部

可愛いですね!そういった残していこうという姿勢が本当に大切だと思います。

禰宜様

この場所に御用邸が御造営されたのも、やはり気候が良く東京からも近くゆっくりと過ごすには気持ちの良い、魅力的な場所だからだと思います。実際に、私の周辺で葉山に住んでいる方は東京でお勤めされている方も多いのですが、「どうして葉山に住んでいるんですか」とお聞きすると、やはり皆さん「葉山に来ると空気が変わる。東京の喧騒の中から葉山に来ると空気が変わって日々の疲れをいやすことができるから」と言われる方が多いんです。そういった環境だからこそ、通勤に1時間~1時間半かかっても葉山を離れたくない方が多いのだと思います。東京からも宿泊せずに旅行に来られる場所ですし、日帰りで気軽にリフレッシュができる場所でもあります。コロナが流行してリモートワークが定着してからは、東京からこちらへ移住して来られた方も多く、特にお子様連れの方などは自然の中で子育てをしたいと思われる方も多いようで、移住者も増えている現状です。

例祭やマーケットで地域とも交流を。夏詣への参加で新たな参拝者も。

編集部

では、神社で行われている行事についてお聞きします。この神社、あるいはこの場所ならではの行事や地域の方と一緒に行われている行事はありますか。

禰宜様

神事は神職が主導で行うものですが、9月7日・8日に斎行する御例祭や夏越の大祓、年越しの大祓などは地域の方も多くお越しになります。

禰宜様

他にGW期間に神社境内の一部をお貸しして葉山芸術祭(アートフェスタ)と呼ばれるイベントを開催しています。神社にある看板の一部をお貸しして、著名な写真家の方が作られた写真を掲示して見に来ていただいたり、芸術祭に合わせて音楽をされている方の小規模なライブをしていただいています。また、この神社は葉山の中でも分かりやすい場所にあるため、9月末に地元の商工会主催で行っているビッグ葉山マーケットというマーケットが開催されています。これは葉山町全体の商業や工業を営まれている方が境内に出店し、葉山町の特産品などを販売するマーケットです。そのイベントにおいて神社でも境内をお貸ししており、多くの方が特産品を求めに来られます。また9月の例祭では町の人々が御神輿を担いで神輿パレードによる勇壮な渡御を行ってくれるなど、地域の方にご協力をいただく行事もあります。

編集部

ホームページで例祭のお写真を拝見しましたが、御神輿を担いで海に入られている写真がありました。

禰宜様

そうなんです。これは海に近い神社ならではの光景かと思いますが、御神輿を担いだまま海に入るという海中渡御があります。御神輿は6町内のものが出るのですが、そのうち1町内が毎年写真のように海に入ります。また、御神輿がある町内会の方々がお祭りを盛り上げるために数十発の花火も上げてくれます。そのように地域の方が一体となってお祭りを盛り上げようという気概を見せてくれるので、大変有難く感謝しております。

編集部

御神輿と一緒に海に、ということですが御神輿にとって海水の影響はどうなのでしょうか…。

禰宜様

やはり傷みます。ですので、終わった後にはしっかりと真水を掛けて綺麗にしています。手間はかかりますが、昔から葉山の御神輿はこういったものですので、現在も大切にしています。昔は樽神輿と言って酒樽に棒を付けた御神輿を担いでいた時期もありました。その時代には、赤い鳥居がある名島まで700mほどの距離を、みんなで御神輿を担いで海中渡御していました。戻ってきた時には、樽神輿が水を吸い重すぎて陸に上げられなくなってしまい、その際にお祭りに来てくれていた力士の方が数人で力を合わせて陸に上げてくれていました。大の大人が何十人とかかっても上げられないものを、力士の方は数人で上げてしまうので本当にすごいと感心したと聞いています。現在は、御神輿を担いで名島まで行くことができないので、船に御神輿を乗せて名島と陸を往復しています。海のそばで行うお祭りというのは全国的にも少ないので、珍しい形で残っていると思います。

編集部

とても珍しいお祭りですね。力士の方はそんな場面でも活躍されていたんですね。

禰宜様

他に潮神楽と言って6月16日に実施している御神楽があります。海のそばなので潮神楽という名前が付いているのですが、元々は鎌倉の鶴岡八幡宮から鎌倉を中心に近隣地域に広がった御神楽です。その後さまざまな地域に広がっていますが、当社の潮神楽もその鎌倉神楽と同じ形式です。鶴岡八幡宮から広まったものですので、800年ほどの時を口伝で繋いでいるものです。私もご奉仕していますが、そのように神社として大切にしている伝統文化を、一般の皆さんにご覧いただける貴重な機会です。その御神楽を楽しみに来られる方もいらっしゃいます。

編集部

神社として大切にされているものを、地域の方にも楽しんでいただけるのは嬉しいですね。

禰宜様

他に珍しい行事と言えば、火をくべる特別護摩焚き上げ神事です。だいたい1月の最終土日、宵宮の日にあたる9月7日に執り行っています。これは先ほどお話した七瀬祓いというお祓いの流れで、加持祈祷という火をくべる御祈祷をしていたものの名残で、社殿の中で火をくべて御祈祷するという神事を年間の中で3日間だけ執り行っています。お寺で護摩焚きはよく見られる光景ですが、神社で行っている所はあまりなく、珍しいものかと思います。

編集部

確かに護摩焚きというとお寺でされているイメージが強いですね。神社でも見られるのは少ないと思いますので、ぜひ参列してほしいですね。

禰宜様

やはりさまざまな行事において、ここが鎌倉から近いということもありますし、頼朝公の流れを汲んでいるような行事もあります。そういった由緒は現在でもしっかりと記録が残っていますし、神社での行事には遠方の方よりも地域の方がよくお越しになりますので、地域の方にとっても欠かせない行事なのだと思います。

編集部

地域に根付いている行事ですね。ビッグ葉山マーケットにはどれくらいの方が来られるのでしょうか。

禰宜様

おおよそ3万人の方が来られます。ですが、マーケットを行っている時は当社で開放している100台分の駐車場が会場となり駐車場も無い中で、皆さんどこからどうやって来られているのか不思議に思いますが、多くの方が来られています。やはり葉山の特産品がそこに一堂に会する、年に一度のビッグイベントなので、皆さんそこで珍しい物を買っていこうと意気込んで来られるのだと思います。お店を出す側の商店さんなどもとても気合が入っています。

編集部

そのマーケットで企業の事を知っていただいてファンが増えるかもしれませんし、そうすれば別の機械に商品を買っていただけるかもしれませんし、出店側にとっても消費者側にとっても大きなチャンスですね!

禰宜様

お祭りというわけではないですが、夏の時期に夏詣(なつもうで)を行っています。この三浦半島という地域は京急電鉄さんや京急バスさんなど、京急さんの公共交通機関が主で、京急さんと神社でコラボをして夏詣を実施し、当社だけでなく京急沿線の普段は足を運ばないような神社を巡っていただけるイベントを実施しています。行った先では、その地域の知らなかった部分を知ることができますし、地域のお店でご飯を食べたり、商店に寄ったりと地域活性化にも繋がっています。そういった地域の物に触れて楽しんで過ごされるのも夏の思い出の一つになるかと思います。

編集部

インスタグラムで夏詣のチラシを拝見しましたが、関東の神社さんだけでなく関西の神社さんも参加されているんですね。

禰宜様

令和7年から関西の神社さんにも8社参加していただきました。来年以降もできれば継続していこうと話を進めているところです。夏の暑い時期は、なかなか神社に参拝しようという方もこれまで多くなかったのですが、浅草寺の横にある浅草神社の宮司さんが夏詣を10年ほど前に提唱されて、そこからさまざまな神社が参加して広まり、現在では神社仏閣で600社ほどが夏詣を実施していると思います。そのうち京急沿線の20社が京急さんとタイアップをして、今年からは関西8社にも加わっていただきました。各神社を巡って御朱印を集められるようになっていたり、それぞれに夏の神社に足を運びご参拝いただけるよう工夫して実施されています。

編集部

各神社さんで色々なアイデアを出されているんですね。

禰宜様

夏を清々しくし過ごしていただくために、神社や仏閣へのお参りが必要なのでないかということで、持続可能な形で夏詣を提供し、多くの方に夏の神社仏閣を楽しんでいただきたいです。ご参拝いただいた際には、私たち神職ともお話をしていただければ、私たちも教養を積ませていただくことができますし、神社の中だけにいると分からないことも、皆さんとお話することで知ることができます。お互いを知るためにも少しでもお話させていただければ嬉しいです。また、京急さんは女子旅切符という格安切符も販売されています。3500円ほどでランチやお土産、往復の電車賃、逗子葉山の京急バスの乗り放題チケットなどがあります。最初はそういったものを利用して葉山にお越しになって、この町を気に入っていただければ嬉しいです。女子旅という名前ですが、もちろん男性の方もお使いいただけますのでぜひご利用いただきたいです。

今後の展望

令和12年には創建から850年を迎えるため、その年には地域の方々と共に行事を執り行いたいと考えています。かつては神社が地域のコミュニティの中心であり、何かあれば神社でというイメージもありましたが、現在はさまざまな考え方の方がいるため全方面に対して同じアプローチをすることは難しくなってきています。

ですが、神社としては地域のコミュニティの中心であるという思いは変わらず、神社は地域の氏子さんからお預かりしているという考えのもと、地域振興の一助となれるよう、さまざまなアクションを起こしていきたいと思っています。この先も地域の方と共に歩み、葉山全体が盛り上がり、鎌倉へ行ったら鶴岡八幡宮へ、というように葉山に来たなら森戸大明神へという存在になれればと思います。

インタビューまとめ

こちらの神社へインタビューする際に、まず驚いたのはそのロケーションです。インタビューの冒頭にもロケーションについてお聞きし、この立地に建つ神社がどれほど貴重なものであるかを知ることができました。

お話をお聞きした禰宜様ご自身からも葉山の町を愛されている、そしてこの地に来てほしい、この素晴らしい空気を少しでも感じてもらいたいという思いがとても伝わりました。そして森戸大明神についてもその魅力を余すことなく語っていただき、葉山を訪れたことがない私にも、とても魅力的な神社・土地だと思えました。この先も創建850周年に向けて、地域の方と共に歩んでいきたいと考える、葉山の町を愛する神社です。

森戸大明神

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この記事を書いた人

ラボ編集部のアバター ラボ編集部 編集者・取材ライター

歴史と文化遺産に情熱を注ぐ29歳の編集者、山本さくらです。子どもが1人いる母として、家族との時間を大切にしながらも、文化遺産ラボの立ち上げメンバーとして、編集やインタビューを担当しています。旅行が大好きで、訪れる先では必ずその地域の文化遺産を訪問し、歴史の奥深さを体感しています。
文化遺産ラボを通じて、歴史や文化遺産の魅力をもっと多くの方に届けたいと日々奮闘中。歴史好きの方も、まだ触れていない方も、ぜひ一緒にこの旅を楽しみましょう!

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