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鳩森八幡神社 全国で唯一の将棋堂を有する、地域の癒し空間。

神社外観

渋谷区千駄ヶ谷と言えば、日本に住んでいる方ならきっと一度は聞いたことのある地名ではないでしょうか。渋谷は東京の中心地であり若者をはじめ、この地域でしか見られない賑わいがある場所です。その名は今や海外にも知られ、東京観光に訪れた外国人の方のほとんどが訪れる場所とも言われています。

そんな千駄ヶ谷の少し南、国立競技場にほど近い場所に全国でも珍しい「鳩」の名を冠する鳩森八幡神社があります。神社名の由来は「白い鳩」にまつわるもので、860年に建てた小さな祠が起源となっています。創建から1100年以上の歴史がある神社の見どころについて、ご担当者様にお話をお伺いしました。

目次

鳩森八幡神社とは

神社の境内には平成5年に再建されたまだ新しい社殿をはじめ、能楽殿や複数の末社、そして全国で唯一ここだけにしかない将棋堂など数多くの見どころがあります。都心の神社でありながら、境内には非常に緑が多く自然豊かな環境が整っているため、近隣住民の方の憩いの場としても利用されています。

初詣や例大祭、夏越や年末の大祓いなどの行事の他、この神社ならではの将棋堂祈願祭という行事も行われています。5月に行われる鳩森薪能には毎年多くの方が鑑賞に訪れ、鳩森八幡神社伝統の行事として知られています。

人口が減少しつつある千駄ヶ谷ではありますが、神社には日々多くの方が足を運んでいます。アクセスの利便性は抜群のため、国内からの観光客はもちろん海外からの方も多く訪れる神社です。

【鳩森八幡神社 特別インタビュー】

拝殿の写真

ご祭神は神功皇后・応神天皇を主な御祭神とし、境内末社である甲賀稲荷社には宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を、冨士浅間神社には木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)、神明社には天照大神(あまてらすおおみかみ)をお祀りし、非常に多くの御利益を受けられる神社です。

社殿の中に見られる108枚の天井絵は訪れる人々を圧倒し、この神社の特徴の一つとしても知られています。境内の豊かな緑から“都会のオアシス”のような存在でもあり、人々を癒す空間ともなっているこの神社の魅力をお伝えします。

始まりは、小さな祠から。国内でここだけの「将棋堂」も。

将棋堂①の写真
編集部

ではまず、こちらの神社の歴史・由緒についてお聞きできますか。

ご担当者様

大昔、この場所の林の深くに瑞雲(ずいうん=めでたいことの前兆として現れる雲)がたびたび現れていました。ある日、青空から雲がおりてきたので、不思議に思った村民が林の中に入ると、突然たくさんの白い鳩が西に向かって飛び去っていきました。この霊瑞(れいずい=不思議でめでたい現象)から、神様の宿る小さな祠を建て、鳩森「はとのもり」と名付けました。その後、貞観(じょうがん)2年(860年)に慈覚大師(じかくだいし=円仁:えんにん)が関東を巡り教えを広めている途中でこの地に寄った際、鳩森の御神体を求める村民たちの強い願いがありました。そのため、山城国石清水八幡宮に宇佐八幡宮を遷座し給った故事にのっとり、神功皇后・応神天皇・春日明神等の御尊像を作り添えて、正八幡宮として崇敬し奉ったと伝えられています。

編集部

鳩森という名前の由来はそういったお話から来ているんですね!全国的にも鳩森という名前は珍しいと思いますので、由来をお聞きできてよかったです。では、こちらの神社の魅力、特徴についてお聞かせください。

ご担当者様

当社には全国で当社しか無い「将棋堂」があります。プロ棋士の方はもちろん、これからの将棋界を担うであろう将棋好きのお子さんが多く参拝しています。また、境内には都内で現存する中で最古の冨士塚(富士山を模した山)があります。戦争の際には当社の境内も爆撃に遭いましたが、その戦火を逃れた銀杏の木は御神木として境内に残されています。

編集部

戦火を逃れた銀杏の木、とてもご利益がありそうです。

特徴的な108枚の天井絵。数々の行事で地域との交流を。

編集部

では、神社建築や周辺景観の特徴についてお聞きします。建築面での特徴などは何かありますか。

ご担当者様

社殿の中には108枚の天井絵があり、祈祷を受ける方などには大変好評を頂いております。当社近辺は高層ビル群が建ち並んでいますが、その間にポツンと神社の杜があります。お昼時や、何か行き詰まった時の癒しの空間として訪れる方も多くいらっしゃいます。

天井絵の写真
編集部

地域の方との交流についてもお聞きします。神社のお祭など、地域住民の皆さんと共に行われている行事はありますか。

ご担当者様

千駄ヶ谷地区は年々、住む人が減ってきています。また昨今、人と人との関係性の希薄化が進み近隣住民との接点がなくなってきていますが、神社での祭礼や盆踊りなどは住民同士が接点を持つきっかけとなっています。

編集部

ホームページを拝見すると、年間を通して数多くの行事が行われているようですね。

ご担当者様

年始の初詣から始まり、将棋堂祈願祭、節分や夏越の大祓、例大祭、年越の大祓など多くの行事を執り行っています。11月には七五三もあり、地域のお子さんたちが成長した姿を見られる貴重な機会となっています。

今後の展望

これからも地域の方の拠り所、地域の発展の場の中心となれるように頑張っていきます。また、更に当社を色々な方に知ってもらえるように努力していきます。欲を言えば芸能人の方々の御用達神社になれればと思っています!(笑)

インタビューまとめ

東京都内だけでも約1400社あると言われている神社。全国的に有名な神社から、地域に寄り添う神社までさまざまなお社がありますが、そのいずれにもそれぞれの神社の思いがあり、多くの方の願意によって支えられています。

この鳩森八幡神社も、多くの方が祈りを捧げる場であり、参拝後には晴れやかな気持ちで新しい一歩を踏み出しています。

日本の中心である東京には、毎日数多くの人の暮らしが息づき、時には都会での暮らしに疲れてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、散歩がてらこの神社に足を運び、緑の中で気持ちをリセットしここで得たパワーを明日への活力にするのもいいかもしれませんね。

鳩森八幡神社 アクセス情報

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この記事を書いた人

ラボ編集部のアバター ラボ編集部 編集者・取材ライター

歴史と文化遺産に情熱を注ぐ29歳の編集者、山本さくらです。子どもが1人いる母として、家族との時間を大切にしながらも、文化遺産ラボの立ち上げメンバーとして、編集やインタビューを担当しています。旅行が大好きで、訪れる先では必ずその地域の文化遺産を訪問し、歴史の奥深さを体感しています。
文化遺産ラボを通じて、歴史や文化遺産の魅力をもっと多くの方に届けたいと日々奮闘中。歴史好きの方も、まだ触れていない方も、ぜひ一緒にこの旅を楽しみましょう!

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